とりあえず簡易版です。ヤバいヤジリン、通称ヤバリンの手筋集。反響が大きければ丁寧に解説を書くかも。
1. 出口の手筋
「未確定マス」とは、白マスか黒マスか確定していないマスのこととする。
未確定マスXについて、隣接する未確定マスが1つ以下であれば、Xは黒マス。
未確定マスXについて、隣接する未確定マスがちょうど2つであれば、Xに隣接している未確定マスは白マスになる。
個人的に「出口の手筋」と呼んでいる。「出口のマスが2マスなら、その2マスは白」というと分かりやすいか。
(例) このヒントの配置だけでこれだけの白マスが確定する。(実際にはもうちょっと白マスが決まるが...)
線が確定してからも使える。これだけで線や黒マスが決まることは少ないが、ヒントが絡むと当然黒マスの入り方に制約がかかる。
ニコリでは、これを用いる議論は禁忌っぽい。
2. シンプルループ手筋
いわゆる "Alcazar" のように線が引ける場合がある。市松に塗ると分かりやすいかも。
【追記】Alcazarは消えたようです...悲しい。補足すると、「ここに壁があると小ループができて詰み」となることがあります。黒マスが置けないことが分かる場合もあります。下の例を見てもらうと分かる通り、小さいものもあれば大規模な場所で決まることもあります。意外と使えるよ。
(例1) こういうやつです。
(例2) もっと引けるときも。
3. 黒マス充填系手筋
へやわけのように、ヤジリンにも黒マス充填についての定理がある。大雑把には、領域のだいたい1/3まで黒マスが入る。
手筋としては、
(a) 領域にギリギリ入るため線の引き方、周囲の白マスが確定する (上限手筋)
(b) もう一つが領域にギリギリ入らないため、黒マスの個数が評価できる (下限手筋)
の2パターンがある。
・1 in 1*2 (上限)
基本はこれ。列でN in 2N-1が基本手筋だったが、列でN in 2Nもそこそこ強い情報となる。
・中央の2 in 2*2 (上限)
黒マスの入り方が2通りあるが、どちらにせよ周囲8マスは白くなる。
・中央の2 in 2*3 (下限)
2*3に黒マスは2つまでしか入らない!とても大事な評価。へやわけの3 in 2*3を考えるとどっちのパターンでも詰む。黒マス2個の入り方は様々。
・中央の3 in 3*3 (下限)
3*3に黒マスは3つまでしか入らない!へやわけの4 in 3*3を考えるとどのパターンでも線が詰む。
上の2つで一般の3*NにN個までしか入らない (Nは2以上)、と分かる 。なおN個入るパターンは存在するのでこれが一番いい評価。実用上は、領域が辺に接触するためパターンが結構しぼられる。
なお、3*3に黒マスが3個入る場合、中央の行・列には1個までしか黒マスが入らない。
以下辺A*BはBの辺が接しているとする。
・辺の1 in 1*2 (上限)
辺の1 in 1*2は周囲4マスがすべて白マスになる。
・辺の1 in 2*1 (上限)
辺の1 in 2*1は横4マスが白マスになる。
・辺の1 in 2*2 (下限)
辺の2*2に黒マスは1個は1つまでしか入らない!中央よりもいい評価ができる。
・辺のN in 2*(2N-1) (上限)
上のを拡張して、辺のN in 2*(2N-1)は2通りに確定する。辺の2 in 2*3とかは実用性高め。
・十字
3*3から端の4マスを除いた5マスの十字を考えると、そこに入る黒マスは「のべ」で最大2個。ヒントの指す列が交差しているときにたまに使える。十字の中央に黒マスがある時はタテヨコに2回カウントされるが、それでも最大2個となる。
他にもいろいろあるけどここでは略 (角3 in 3*3は唯一とか)。自分だけの手筋を見つけよう!
4. 偶端とその応用
ループの偶端はループの問題の共通手筋で、ヤジリンでも使える。ニコリの問題でも使うことがある。シンプルループ手筋の一部ともいえる。
応用として、黒マスの入り方とリンクするケースがある。例えば、端まで4マスを指す2だと黒マスの配置は3通りあるが、黒マスが1つ飛ばしの2通りだと線がちょうど2本入り、他の形状から偶端に反する、みたいな議論ができる場合がある。
小ループ禁による「見えない壁」とリンクするケースもある。
(例) こういうのたまにあるよ
「見えない壁」はシンプルループ手筋とも相性がよい (Alcazerをみるとそれはそう)。
5. 三叉路禁とその先
線は分岐しないため、それを利用した禁止パターンがいくつかある。
(例1) こういうやつです。
応用として、(一線にヒントマスのない) 二線の黒マスは1つ飛ばし禁などがある。
(例2) 最近よくみる。
さらに、その先の応用もある。なにか統一的な議論ができないか模索中...
(例3) 左は上の応用なんだけど、どう説明するといいんだろう...
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ひとまず以上。他に手筋があれば、連絡お願いします。
・おまけ 観測範囲で「ヤバリン」と最初に呼んだのはたぶんぼくです(どーでもいい)
とりあえず今までどうしようもなかったヤバリン(ヤバいヤジリン)について少しでも考察が進んだのはよかった
— SP1 (@SP1_winter) December 22, 2017