PGP2019Rd3 作戦とメモ

All or Nothing、するしない?

 

 

問題サイズ一覧

アンサーキーの欄から、サイズを事前にある程度想定できる。以下その一覧。

01. Palindromes or Not 10  Casual  8なので8問か。
02. Letter Weights 18  Casual/Math 9文字
03. Scrabble 34 Casual/Word 横13
04. Password Path 45 Casual/Path 8文字、サイズは分からない
05. Gaps (No Touch) 9 Casual/OP 横10
06. Masyu 14 Loop 横13、でかい
07. Shikaku 21 Division 横10
08. Tetroscope 16 Shading/OP(Multi) 横10、でかい
09. Pentominous 23 Division 横11、縦は10?
10. Kuromasu 36 OP(Single) 横10
11. Doppelblock 31 NP/OP 横7
12. Statue Park 41 OP(Multi) 横12
13. Skyscrapers 44 NP 横7
14. Snake (with Ends) 48 Path 横10
15. Cave 61 Shading アンサーキー5→横10?
16. Fillomino (Distinct Shapes) 34 Division/OP(Multi) 横10
17. Top Heavy 28 NP 横8
18. Tetrominous (Second Seen) 58 Division 横10
19. Slitherlink (Pentominoes) 66 Loop/OP(Multi) 横12
20. CrossRanges 49 NP アンサーキー5,6→横7?
21. Compass 149 Division 横10
TOTAL : 835

 

Compassが10*10でいよいよ闇が深くなってきた。

 

問題詳細

 ・Casual系

01. Palindromes or Not 10  Casual  8なので8問か。

文字の形とかは関係なく、単に順番として回文のものを探す。シーク系Casualなので後回し。アンサーキーは回文の列の記号を順に。

02. Letter Weights 18  Casual/Math 9文字

覆面算。サイズ9で18点なのでわかりやすい理詰めと予想。取るのは終盤だろうけど、その中では優先したい。アンサーキーは数字を箱の順に。

03. Scrabble 34 Casual/Word 横13

シンプルな枠なしスケルトン。前のSerbia Roundでは、ふつうのが出たり、試行錯誤しかすることのないものも出ている。いずれにせよ自分にとっては効率最悪なのでやりたくない。いちおう表出記号に注目するのが初手。密度が濃くなるよううまく組みましょう。アンサーキーは列の文字を右から、なければXを。

04. Password Path 45 Casual/Path 8文字、サイズは分からない

結構得意なイメージだけどそれは過去配点低めだったからかもしれない。45点は結構怖い。ナナメありだが交差禁を忘れないように。まずは、文字の並びからすぐに引けるところを探索して、制約強そうな場所を見つけよう。端の方向ルールも大事っちゃ大事だが、結果的にあんまり使う場面のない印象。でも一応気にはしよう。 アンサーキーは指定されたマスの数字をスタートから通った順に。

05. Gaps (No Touch) 9 Casual/OP 横10

前回怖かったGapsは今回9点。さすがに簡単だろうけど、9点では取る気しなくなっちゃうね。後回しの優先度高めかなぁ。点数が小さくても舐めてかからないように、困ったら二択しよう。アンサーキーは手前の黒の場所上から、いつものバトルシップ方式。

 

・定番系

06. Masyu 14 Loop 横13、でかい

ここから定番。サイズ大きめだけどましゅだしなんとかなるでしょう。海外産ましゅは結構いろんな場所で二択させられる印象だけど、このサイズと配点ならスムーズにできるのではないか。先にとって問題ないと思う。アンサーキーはその列の線をLIX方式で。結構ミスしやすいので注意。一応L偶数個というエラーチェックはできる。

07. Shikaku 21 Division 横10

四角に切れの性質上、21点は重めの部類に入ると思う。おそらく見つけづらい理詰めかちょっとした仮定か。パッと見で決まる場所が少なかったらガチャしにいっていいと思う。そういうタイプの問題がくると予想。全体のなかでは21点は低めなので、後回し気味でもいいかもね。アンサーキーは指定マスの面積の1の位を順に、いつもの四角スタイル。

08. Tetroscope 16 Shading/OP(Multi) 横10、

テトロ・ペント系はルールが複雑なので注意!Tetroscopeはテトロ系塗るパズルで、「ナナメ接触禁あり、回転同一視せず(JL,SZあり)」が大事か。あと全配置ではないです。

ヒントはクリーク式。マイン手筋がある。また2は市松にならない(ナナメ接触禁より)、3はL字で大きく占有する、などがある。後者はたとえば3のある4マスが辺で接触してたら(overlapはしてない)、接触してるマスが白になる、などの手筋につかえ、また2と3の接触もシビアになる(1択にはならないけど)。2の市松禁は、向かい合うマスは白黒が変わる、的なwindowっぽい見方もできる。1の4マスが1マスだけ共有していると、その1マスは白、とか謎の手筋もある。

数字関連以外に、やはり同型禁が大事になってくる。ただしJL,SZがあるので要注意。回転区別ありはこの問題だけなので、そこだけは本当に注意しよう。とくにすでにLつかったから無意識にJを使わないやつ。ハタンの元です。いろいろ言ったけど16点なので、気負わずさっさと抜けたい。アンサーキーはマスの内容を順に、ないマスはXで。くり返しだが、JL, SZの区別をお忘れなく。

09. Pentominous 23 Division 横11、縦は10?

ペント系Divisionで、「隣接禁だがナナメはOK、文字の入る個数に制限なし」が大事か。まっとうなDivisionパズルだが、隣接禁により結構変な決まり方をするので注意。あとは同じ文字なら同じ領域に入れてよいので忘れないこと。初手はだいたい文字の密集して制約の強いところ(特に端)か。点数的にはゴリゴリの仮定にはなりづらいと思うがどうか。アンサーキーはマスの内容を順に。種類が多いので入力に気を付けること。

10. Kuromasu 36 OP(Single) 横10

ニコリでは最近見ない黒どこ。海外産の雰囲気は、個人的にはそんなに変わらない印象。Caveっぽさは増してるかもしれない。

数字の小さいところの周囲に白マスが確定しやすかったり(2の4辺とか)、大きくてもCaveっぽく確定したり、またこれ以上白にならないから黒マス確定、とかがある。結構仮定しやすいので、制約強めの場所でガチャってもいいと思う。分断禁による白マスをお忘れなく。

なぜか自分はハタンしやすいので、理詰めでやるときは議論の飛びがないように注意しよう。この配点だと軽い背理法・先読みはあるかもね。アンサーキーはバトルシップ方式、黒マスがない列は0で。

11. Doppelblock 31 NP/OP 横7

サイズ7なので1-5か。この配点なら取りたい。

ラテン方陣と黒マス配置により、結構道の細い理詰めができてしまうこともある。なので気付けないときはガンガン仮定したほうがよい。個人的にはふつうにhidden singleを見落としがちなので、意識するといいかも。アンサーキーは列の内容を、黒マスはXで。

12. Statue Park 41 OP(Multi) 横12

ペント系配置。こちらは「隣接禁だがナナメはOK、全配置、白マスは連結」となる。連結ルールが強く、白マスが伸びるところでペントミノが決まりやすい。その辺では軽い試行錯誤はありだと思う。全配置を利用して、中盤つかうペントミノの予約とか、最後の試行錯誤配置などもよくある。きちんと使ったペントミノを管理しよう。42点はそこそこ重いので、いい理詰めが仕込まれているといいな。確実に進めるところは逃さないこと。その上でガチャも辞さない。

ちなみに、黒マスは塗って、白マスは線で引くと、分断禁が見やすいのでおススメ。アンサーキーは列の内容を、白マスはAで入力。白丸もAです。

13. Skyscrapers 44 NP 横7

サイズ7で44点だとまあまあな難易度といえそう。ラテン方陣系とはいえ、他の感じを見るに確実にとっておきたいところ。いい問題を期待します。アンサーキーは列の内容。

14. Snake (with Ends) 48 Path 横10

ふつうの頭と尾っぽありのスネークだが、サイズ10で48点は恐怖。試行錯誤して制約の強さやだいたいのルートを決めていくパズルだが、思わぬ引き方をする場合もあって難しい。少し触って大まかなルートがつかめなかったら捨てもありか。最後の微調整力も大事。昔高配点スネークで、あっている道だったのにカウントをミスってハタンと思い込み続けた苦い経験もある。なので大胆かつ慎重に。アンサーキーは列の内容。Occupied cellがO, そうでないマスがXです。

15. Cave 61 Shading アンサーキー5→横10?

PGPでは久しぶり(?)のCave。Caveはshading puzzleです。61点とかなりの高配点なので要警戒。黒マスの「抜け」を意識する展開とかは警戒。また、市松禁などで局所的な仮定が決まることもしばしば。おそらく手が止まりやすいタイプになると思うので、頑張って手を動かそう。アンサーキーはCaveマスの連続個数を右から順に、ぬりかべ方式ですね。これだけ他と毛色の違うキーなので注意。

 

・変種系

16. Fillomino (Distinct Shapes) 34 Division/OP(Multi) 横10

たまに見るフィルオミノのバリアント。1も2も1個まで、3もIかLの2個なので、袋小路の処理が独特になる。一応回転で一致もだめなのはいつもどおり。小さい数字が入口で、大きい数字についても同形禁を見落とさないこと。アンサーキーは四角に切れ方式です。

17. Top Heavy 28 NP 横8

数字が縦の各区間で頭でっかちになるルール。初手は1の下と最大数の上に×を付けることか。上下に挟まれているところも制約が強い。

どの数字の上が制約が強いかを見るマスに注目する手筋と、各数字がどのマスに入るかを見る(hidden/naked singleなど)数字に注目する手筋がある。どちらもうまく使いこなしたい。配点は抑え目なのでパッと埋めれるといいな。アンサーキーは列の内容。

18. Tetrominous (Second Seen) 58 Division 横10

結構ヤバそうな変種。文字は入るらしいけどヒントの与え方が絶妙にいやらしい。昔四角に切れでsecond seenを作ったことがあったけど、かなり特殊で難しくなる。

まずそもそものTetrominousはテトロ系Divisionで、Pentominousと同じルールになる。しかし種類が少ない分タテヨコ隣接禁がもっと強力になってしまう。点対称な8マスの領域ができない、とかいま思いついたけど使えるのかな?

加えてSecond Seen。例題とは違い、さすがに文字は与えられそうなので、どの辺にどのテトロミノがくるか局所的に試行錯誤することにはなりそう。手を動かすこと。アンサーキーは列の内容。

19. Slitherlink (Pentominoes) 66 Loop/OP(Multi) 横12

今回あんまりないループパズルだが、むしろOPに近いか。スリザーリンクの基本手筋はおさえた上で、内外の意識が大切となる。

とくに初手で使いがちな事実としては、「0が内側にくるのはXのみ」「3が外側にくるのはUのみ」ということ。別の場所にXができると0が外に、Uができると3が内になるので、ペントミノの推定に役立つ。33があると、かならずUが作れたりもする。

そうじゃなくとも、こっちに辺を伸ばすと5マスにならなくてハタンといった議論もつよく、要は5マスルールが異様に強い。とはいえ、なぜか数字だけでの制約は弱めなので、きちんと制約の強い場所を見極めて、局所的に手を動かしながらコツコツ進めていくこと。意外とおいしいことになるかも。1とかも0の次に決まりやすいので要注目。

なお同じペントミノは使えないが、全配置ではないので注意。ペントミノ系特有の最後適当に置くフェーズでは、3が端っこになることを意識するとよさそう。全配置なしなので使うかはわからないけど...。アンサーキーはStatueと同様に、列の内容を空白マスAで。

20. CrossRanges 49 NP アンサーキー5,6→横7,8?

個人的に初見のパズル。竹谷さん、いつも例題助かってます。

やってみた感じ、情報が多いなという印象、なので使ったヒントを管理しておくとよさそう。また見る場所も多いので、数字の候補とかも丁寧に書いておいたほうがよさそう。無駄な探索を避けたい。

レンジのヒントについては、どの幅なのかを決める意識が大事そう。特に、1-n使用でレンジn-1だと1とnがかならず入る、みたいな。3マスのレンジ2とかも強い。加えて数字の候補から、レンジが合わない数字を消すという作業もできる。しかしあんまり大がかりな理詰めは存在しそうになく(高々予約くらい?)、数字をチマチマ埋めていくことになりそう。行と列で同じ数字が入らないのも大事で、最大数分あったらhiddenが使えるし、nakedも容赦なく出てくる。Sum系の数独を解く感覚で挑もう。局所的にヒントが追加しやすいのもあって、作者側からするとうまく理詰めの道を作れそうな気がする。作者の用意した道に乗りたいなぁ。アンサーキーは列の内容、黒マスはとばして。

 

・漆黒の闇

21. Compass 149 Division 横10

ドイツが生み出した闇のパズルが、PGPで漆黒となって登場。

得点の事を忘れて手筋確認をすると、どうやってもヒントが気持ち悪いことに帰着されてしまう。制約が強いようで弱い、弱いようで強い。複数の箱を組み合わせて強烈な制約になることもある。あくまで「こっちの方向に何マス」というヒントなので、グネグネ変形した上で変なところからマスをカウントさせることもある、っていうかどうせそうなる。困った。常識を疑うことも大事。スネーク的な「それっぽく引く」が通用しにくい印象。理詰めで進めるところは進めておきたい。

一応天体ショー的な「このマスを拾えるのはこの箱だけ」という議論はできるが、ヒントの個数的にどのみちで拾うかが確定しづらく、強い制約になりにくい印象。あとはこの方向に何マス取るには狭いので、他の箱に制約を押し付ける、といったこともある。

10*10はこのパズルにしては若干大きめだけど、それでも149は地獄すぎる。解けるにしても20分ならラッキー、下手すると全く解けずに50分溶かす可能性もある。困った。一応アンサーキーは、箱に名前がついているので、列の内容を。

チャートづくり

今回はcompassの処理によって大きく作戦が二分される。compasを捨てて686点満点で妥協するか、この回を捨てる覚悟で取りに行って大きく目指すか。686点満点も十分魅力だが、Casualや苦手分野も含むので難しいところ。

今回で言うと、リストの中で取りたいのは多めに見積もって02,04,06-16,19といったあたりで、これで498点。いまのところ498だと捨て回になってしまう(というかそうしたい)ので、さらなる上澄みが必要。

なのでやっぱりcompassは触ることにする。今回は149以外にも重たい問題が多数あるので、その辺が難なく解けるようなら捨ててよい。ただしその辺がしんどい場合や、あまりに調子がいい場合は真剣に取りに行こう。

やはり問題数は多いので、基本はそこにある問題を解いていくことになるが、読めないパズルも多い。なので逆順で解いていき、ダメそう(1分で判断)ならパスして次へいこう。casualの手前まで進んで、30分くらい残ってたらcompass凸で。これで行きましょう。

パズルコンテスト自体は久々で不安だが、crocoは最近highestを更新して調子は上向き。恐れずいこう。

なお、解く際のスタイルは、理詰めを見逃さずに引き重視でいきます。特に今回は作者的に局所的な仮定でゴリ押すシーンが増えそうな予感。全開で引きに行くというよりは、理詰めのための引きを意識しよう。