PGP2019Rd1 感想戦続き

問題の振り返り。気になったものを取り上げます。

5 Skyscrapers (Encoded) 70

Codedのコツは分かりやすいところから決めること、Skyscrapersだと1や最大数を決めることが鉄則ですが、今回はそれを外してきましたね。

INPについて、どれも1にはならず、加えてIとN, NとP, PとIがそれぞれ向かい合っているのですべて7以下、よってこれらで2,3,4を分け合うことになります。

残りAGDで156を分け合いますが、DGが向かい合っているのでAが1にはなりません。よって一番上の行で6の位置が確定し、同時にD=1となります。加えてA,Gが5or6と大きいです。そして一番上の行の5の位置からIかNが2、一番下の行6の位置からPかNが2となり、N=2が決まります。PとIで3と4の二択ですが、Pが4なら一番下の行でPの方向から4つ見えないことが分かります (r6c3が2以下、r6c4が3以下)。よってP=3, I=4です。

そのあともなかなか大変ですが省略します。6の位置が確定し、5の位置が2択になるので、それを試すといいっぽい?最後までAGの2択が決まらないのがにくい演出。

理詰めで進めますが道が細く、引きに行くのもうまくやらないと大変そうなので、本番で食わなくてよかったと思いました。でもすごくいい問題。

 

6,7 Shikaku(Off-by-One) 18+20

仮定した方が速そうだが、理詰めはある。

6はr9c8を13が食べないといけない (細かくて見つけづらい!) 。そして13が上に伸びるとr3c7の8が決まらないので、左に伸びる。あとはr7c3の9が隣のr7c2を占有するため、r9c1の9が上に伸び、大まかにわかる。

7はr5c5をr4c3の5が、r8c9をr10c9の8が食べるしかないのが見えにくい入口。そこからr7c3の8を確定させるなどするとよい。

通常の四角の「引き込み」の手筋が、Off-by-Oneだと凶悪になるなぁ。試行錯誤と理詰めどっちを優先するべきか難しい。Off-by-One仕様で形の決まりやすい数字を把握しておくのは大事だったかもしれない (偶数全般ってだけかもだけど)。

(追記)7は全部+1だったらしい。大域手筋ヤメロ!

 

8 Products (Off-by-One) 31

使用数字は1-12で、想定していた理詰めの道をことごとく使っていました。取ればよかった。

まず行 (左のヒント) から。11, 13, 21, 41, 61, 71とあり、61-1=60は確定。ここからmod11で21+1=22=2*11, mod9で71+1=72=8*9が分かります。

また60は5*12と6*10の二択で、かつ1の相方が10or12 (11,13を使う) なので、41に7以下しか使えません。よって41+1=42=6*7が確定。ここで6を使ったので残りがきれいに確定します。

次に列 (上のヒント)。4,23,34,43,49,89とあり、見た目決まらなさそうなので、放置しておくのが手。おかげで、43が42にならない (42=6*7しかないが、行で使った!) ことが分かります。よって43+1=44=4*11になります。

ここで11を使ったので、89は90に、34は35になり、順当に決まっていきます。

 

9 Products (Off-by-One) 95

問題のこれ。使用数字に制限を持たせてきた。大きな素数はそれだけで大きな手掛かりになるので、除いてパズルの純度を上げている。ひっそりと12が消えているのもポイント。

まずは行ヒント(左)から。一覧は9,19,29,159,49,69,89,199.

すぐわかるのが159=160-1, 69=70-1.どちらも8*20=10*6, 5*14=7*10と二択になるが、これが49=50-1, 199=200-1に抵触するため、49=48+1, 199=198+1に確定、198=11*18は決まり、48=3*16=6*8の二択が残る。また89=90-1となり、90=6*15=9*10の二択に。

本番ではこのあたりでいろいろパターンを試しにいったが、もう少しうまいやり方があった。この時点でmod7で見ると29=28+1とするよりなく、28=2*14=4*7に。二択が増える。そして29=30-1が消えたので、mod15から90=6*15と決まる!ここでmodとはねぇ。。。

6を使ったので48=3*16に、そして16を使ったので160=8*20に確定。ここでいったん整理すると、残り9,19,29=28+1,69=70+1で、未使用が1,2,4,5,7,9,10,14. ここはmod9をするとよい (実際は90に9が使えなかったのが大きい)。19=18+1, 18=2*9となり、28=4*7, 70=5*14まで決まる。残ったので1と10で、これが9の行だった。

次に列。59,89,109,179,??,9,19,29. 

すぐわかるのは179=180-1. 180=9*20=10*18の二択。59=60-1. これは三択以上。

ここで手詰まり感があるが、困ったらmod. まずmod16で合致するものが無い!よって空白列送り。さらにmod7でも29=28+1の1個しか候補が無い!特に行との兼ね合いで28=4*7は消え28=2*14でないといけない!!よって7を空白列送りに。

残りは59=60-1,89,109,179=180-1,9,19. ここで小さい数に注目!2をすでに使用したための9の列が限られ、特に行の方で1*10としていたので、9=1*8+1しかありえないと分かる。これにより89は88=8*11にはできず、90-1へ。これも行で使ってない方の5*18となる。さらにmod11で見て109=10*11-1に。ここまで決まればあとは落ち着いて決めるのみ。

文字に起こすと長かったですが、modを取る、同じ組み合わせは出ない、など予期していた議論を丁寧に使えばよい問題でした。難易度自体はそんなにだったと思われますが、途中議論が迷走しがちで時間は食いそう。本番では15分かかったけど、10分くらいで取りたかったなぁ。

 

 11 Tapa

本番は取っ掛かりが見えず左上で仮定しましたが、実際はその左上で理詰めの道あり。r1c3の黒マスがc1の側から抜けないことを利用して黒マスが伸びます。

こーいう理詰めがある場所を強引に引いて抜けるのって、理詰め派としては微妙な気分になりますね。。。まあ制約が強いことがパッと分かったのはいいことですが。

なお残りはやるだけ。33マスのトリックを使って右下へ議論が進むのが気持ちいい。あと本番は右下がどーせ黒マスつながるだろうとか思って右下から議論を進めたけど、普通に右上方向から進むのであった。。。これはちょっと時間の損だったかも。理詰めで詰まりがちなのは1マス伸ばしなど細かい道。今回もそれでしたね。

 

まあ誤答したから意味ないけどな!!!

16,17 Yajilin 31,47

どちらも理詰めはだとしんどめの問題。テンパってるときにやるのはしんどかった。

16はパッと見で有名になった二列手筋がある。r1-7c89に注目。この14マスに黒マス4個は多く、実際r12に1個、r345に2個、r67に1個となる。しかしそれはあまり本質的ではなかった。実はr4c5の2がきつい制約で、r35c9を黒にするとなんとハタン。c9の黒マス候補がr247のみとなり、とくにr24は両立しないのでr7c9の黒が確定。さらにr4c9を黒にするのもc8の具合が悪くだめ(r5c8が下の奇数進入禁で白に、しかしそれは上側でハタンする)。よってr2c9が黒に。これでc8の黒もr35になる。これで右半分が埋まった。

 左半分もつらそうだけどまだまし。c2の黒マスがr5678に2個となり、特にr68に来ないのでr5c2が黒。あとはすんなり。

これで31点ですか。。。仕掛けは実質2つだけだからしょうがないのかなぁ。

続いて17。こちらの方が難易度おとなしめな気がする。まずは右側。r7c7の2で、r1-3に2個がないのでr56c7に1個。よってr56c8は白、c8の黒マスの情報が限定され、なんとその3マスがr4710c8と確定。これで結構進む。

一方左側はr4c4の1を決めるところから。r9c3の3との兼ね合いでr4c3が黒に。すると左の情報を合わせr3c5が黒になります。これで上半分が確定。

最後に下半分。r678c3で黒マス三択ですが、ハタンしないのはr7c3のみ。加えて右の様子からr8c1が黒に。そこから全部引けるでしょう。

仕掛けは増えたけどその分難易度は下がった印象。これで47点はお得だと思われます。

 

以上かな。Spiral Galaxiesの3問は、いわゆる引き込みの手筋が見やすく配置されていたので、取っ掛かりは簡単だった。しかし直感的に引くとハタンする仕様で、とてもいやらしい。まっすぐ繋げず迂回するのがカギ。錯覚いけないよく見るよろし。