パズルコンテスト "Fence Festival" 結果発表

パズルコンテスト"Fence Festival"にご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

解き直したい方、問題を見たい方のために、パスワードのない問題ファイルを置いておきます。

 
さて、集計が済みましたので、結果を発表します。

優勝は deu  さんです。おめでとうございます!

点数の詳細は次のファイルにまとめているので、合わせてご確認ください。 

結果を見るに、難易度はかなり高かったようですね。。。「Puzzle GPを意識」と言っていましたが、それよりもっと大変だったようです。似たようなルールで混乱した、というのもあったかもしれません。

特に初心者の方には厳しい回だったと思います。気になって参加してもらった初心者のみなさん、本当にすいませんでした。今後は初心者向けコンテストを作る予定なので、またぜひ参加してください、お願いします。

一応どの問題についても理詰めを仕込んであるので、残った問題についても解いてくださると幸いです。感想などお待ちしております。

最後になりましたが、テスターを引き受けてくださったタイガーアイさんに感謝します。 

 

以下、作成メモ。ネタバレ注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・作成時のFinish想定タイムは、中級者120分、上級者70分、世界チャンピオン40分。

・だったが、(全体的な) 難易度の過小評価をしすぎた。何も準備しないと3倍はかかると思う。

・もともとは1-2のスリリンができて、これをコンテストの形で解いてほしかったから作り始めた。

・その上で以前からやりたかった「似たルールで頭を混乱させる」コンセプトを実現するため、今回のような構成になった。

・結果を見るに、そのコンセプト自体はうまくいったのかもしれない()

・もともと10*10の6問だけだったけど、さすがに難易度的にどうなん、ということで8*8を追加。

・結果的に、1-1のスリリンを解いたあと絶望する見た目になってしまった。

・重たい理詰めが多かった。試しにいろいろ引いてみるのも効果的だったと思う。

・最初は60分予定だったが、日本人がループが強いことと、より焦燥感と脳の混乱を味わってほしいことから、このタイム設定になった。参加しやすさという面でもテスターさんから指摘を受けてそうした。

・結果を見るに、その判断は良くなかったのかもしれない()

・どの変種も個別に手筋があるので、事前練習や手筋考察、取る順番の決定など、準備があるかないかで、点数・時間が大幅にブレると思う。

・特に、Turning Fencesの偶奇手筋やPolygraghの内外言い換えなどは、知らないと何も解けないつくりだった。そのへんもっと強く伝えるべきだったかもしれない。

・5-2, 6-2の正答者がいなかったのは残念だが、セットの難易度判定ミスなので完全にこちら側が悪い。3-2も影響していると思う。いい問題なので解いてやってください。

 

・各問題の想定理詰めや感想

1-1

1問くらいは気分よく解けるようにということで配置。簡単にしながらも、海外産っぽい作りを意識した。具体的にはナナメの連鎖。

1-2

中央の仕掛けをどうしても使いたかった。理詰めで解くなら、この4*4マスの機構をちゃんと理解しないといけない。中央以外は初手でほとんど決まらないようになっていて、かなりうまく作れたと思う。

スリリンは「2や3の周りに1が取り囲む形」がまだ局所ヒント界の秘境として残ってる気がする。そのへんはもっと研究したい。

2-1

LMDでルールを探していたら見つかったパズル。通常のスリリンよりダイナミックに決まるので、慣れればスリリンより早く解けそう。マインスイーパーのような個数確定手筋もある。軽快さでいえば、もっと流行るポテンシャルはあると思う。

2-2

右下の1111が入口、左上の3333が最後の関門。これも慣れを考慮して少し高めの配点。軽く仮定するのもよさげ。

3-1

3*3ブロックで大域手筋アリ。市松に足したり引いたりしよう。意外と解かれていたという印象。仮定しにいくと速いのかな?

3-2

初手は辺の偶奇の伝播。偶奇を用いる議論がこのパズルの華だが、知らないと永遠に解けない。こちらは全然解かれなかった。3-1よりマシだと思ったけどなぁ...テスターさんも苦労しており、一発ネタは配点難しいよねという話をしていたのにこうなった。申し訳ない...

うまく小ループ禁を仕込めなかったのは反省。

4-1

内外を決めるパズルと思えば、塗るパズルに早変わり。丁寧に塗ろう。

4-2

マインスイーパー手筋が使える。ただヒント数字の管理しづらさもあって、どうしても時間はかかりそう。

余剰ヒントが出たのは反省。

5-1

LMD(ドイツのパズルサイト)にあったバリアントを持ってきた。4や11の並びが入口。

5-2

内外どちらかを細かく決めていく問題。そういう議論が苦でなければ解きやすいかも。テスト段階でハタンがあった、危ない。

6-1

Outsideに対抗して作成。LMDにもない新作かも。内外を意識しよう。Turning Fencesの偶奇手筋も使える。

6-2

1-2のようなダイナミックな仕掛けを入れた。まずはそこの処理から。

 

おまけ:Inside Turning Fencesについて

たぶん新しいバリアントだが、発展性があるかは謎。初手が作りづらく、また内外でヒントの意味が全く違うため、ヒントが軽快に連鎖していく展開にしづらい。どうしても内外をちまちま決める解き味 (海外産っぽいもの) になってしまう。

ただ、内外を決めるときにTurning Fenceの偶奇手筋がきれいにハマる時があり (ここを内側にすると偶奇に矛盾、的な)、慣れるとそのへんの楽しさはあるので、マニア向けにはいいかも。