さくしゃのいいわけ
Heads-up Puzzle League の 2 回目に問題作家として参加しました。
どんな大会かは前回の記事に書いたのでそちらを参照のこと。
以下、作者目線のコメントです。
なお、これは観戦する前に書いたものです。
問題にまつわる全般のはなし
問題自体は、HPL 構想を聞いてからすぐ作ったのでした。なので JPC の頃にはだいたいでき上がってました。風邪の時に何もできず困っていたら、気付いたらいつの間にか 14 問できていました、怖いね。
作った当時はプレーオフとだけ聞かされていて、どういう感じのルールでやるかを詳しくは知らなかったため、
・各ヒートごとに 7 テーマ分作る
・それぞれでジャンルをばらして作る
・プレーオフの対戦として見たいものを作る
・難易度はあとで考える (こら)
を守って作りました。
結果変種だらけに。その後、HPC#1 に参加してまずいなと思ったものの、「ま、こういう回があってもいいよね!」と開き直ることになりました。
各問題の感想・事前ver.
対戦した問題ごとに感想を、対戦を見ないうちに書いておきます。
・D1 Trapezoids
これ最初か...抽選結果を見てヤバいなって頭を抱えました。
今回の難問枠。テスターの毛布さんからも「解けない人は一生解けないかも」と言われました。
Trapezoids の基本手筋を知っているかどうか、準備をしたかどうかで大きく難易度が変わります。とくに 4 の周りに「線」を引くとわかりやすいか。取っ掛かりがみえてからもなかなか重たいですが、きちんと理詰めで解けます。一方引くことはできるのだろうか...?
・G1 Geradeweg + Masyu
いつか Twitter で「Geradeweg の 2 のヒントってましゅに似てるよね」とつぶやいたところから着想。結果シンプルな解き味になってよかったと思います。途中に 2 択が何回かあるけどね。
この組み合わせはわりと相性いいと思います。長さと形状を別に与えられるし。とくに Gerageweg の方がいろんな長さだとどうなるか気になる。流行れ!
・F1 Tents [Coded]
もともと Hashi [Coded] を作りたかったので、後から付け加えたのですが、なかなかいいネタが仕込めたかなと。記号のトリックが分かればあとはすぐ。Tents 要素を覆面で活かす感じになりました。
・C1 Count the Knight Paths
きました。これをやりたかった。
問題については、事前に数え方の方針を決めておくだけでかなり楽になります。今回だと "EE" に注目すると分かりやすく、じゅうぶん予想できそう。なお市松に塗るとより見えやすいですが、それだけでは簡単に数えられないようにいろいろ罠を仕込んでいます。
それよりも、プレーオフで出すとどうなるか気になりました。1 秒 submit はさすがに出ないかなぁ。そうでなくても、パズルそのもの以外の戦略が試せるかも。まあ愚直に数えた方がいいと思うけど。
・E1 Japanese Sums [Hex]
Hex つくるぞーってなって真っ先に作ったのがこれ...でしたが、うまくいかなかったのと難易度調整などあって、意外と難産でした。最終的に見た目がキレイになったしいいか。Trid と少しかぶったけどね。
埋めるだけだけど、Hex なので見づらい。純粋な埋め力が問われそうです。
・A1 Galaxies
プレーオフの定番なのでどうしても入れたかった。海外産を意識した理詰めですが、おそらく引き+調整が最速だと思います。焦ると難しいかも。
・B1 Tapa
サイズ大きめ+難易度おさえめ、トップソルバの腕力勝負が見たい!これも難易度調整で少し簡単にしてます。まあ、もとのハードバージョンで毛布さんがとんでもないタイム出してたけど...
・D2 Trid
三角形盤面として思いついたのがこれ。Trid の制約がとても強いことがわかりました (こなみ) (解なしで 1 敗) 普通に解くなら、初手に気付けばすぐに埋めゲーになるでしょう。
ところで、「サイズ 7 の盤面に数字 5 個を入れる方法は (回転のぞき) 実質 1 パターン」っぽいですよ。一応証明したけど、ちょっと自信ないので考えてみてね (これがいえると変な制約がかかりかねない)。
・G2 Easy as ABC + Skyscrapers
ミックスルールのなかでも、まだ過去に出題されてそうな組合せ。堅実な理詰めですが、こういう解き味が意外と前回なかったので、ちょうどよかったかも。こういうの速くなりたいね...(答えを知ってるのに埋め 6 分かかった顔)
・F2 Hashi [Coded]
橋かけをちょっと研究したので入れることに。もう少し仕込みたいネタがあったけど、うまく実装できず頓挫。すこし妥協していまの形になりました。ただ他の難易度を見るに、これくらいでよかったかもしれない。
・C2 Triple Nonogram
R.I.P. Croco. お絵かきロジックだからカジュアルだな!
ちまちま埋めるしかなさそうですが、これも前回ちまちま系少なかったので、ちょうどよかった思う。
・E2 Lookouts [Hex]
他の兼ね合いで Division + Hex が残り、相性悪すぎて悩みまくった結果がこれ。(おそらく) 初出ルールすいません。
... だって六角形フィルオミノが面白くできないんだもん!追加ルール付けて一問作ったけど、無理があったのでボツにしました。
理詰め自体は 4 に注目というやつです。事前に Polyhex を調べておくといいかも...?しかし荒れそうだなぁ。
・A2 Yajilin
厚揚げ杯の問題は煙幕。海外産のような、軽い仮定で少しずつ進むヤジリンを意識しましたが、ところどころ日本のヤバリン手筋を入れています。結果前回より難しくなりました。これくらいなら理詰め派でもなんとかなる...と信じてる。ほんまか?
・B2 Pentopia
これも、もともと別のパズルを用意してましたが、難しすぎたのでボツ。昔作って温めておいた Pentopia を代役としました。顔文字かわいい。
普通の理詰め問ですが、前回引きが猛威を振るったので、今回も不安。サイズ上がったしヒント数も多いので少しは抑止できてると思うけど...
・全体的な感想
前回よりも全体的に難しいと思います。変種が多いのも、難易度が上がった要因のひとつと思います。時間が不安...
基本どの問題も理詰めで解けるので、理詰め派が有利だとは思ってます。引き派がどういう戦略を取るかが気になる。
・決着タイム予想
- 高速決着 (2分以内)
G1, F1, E1, D2, F2, B2
- 標準的決着 (5分以内)
C1, F1, B1, C2, E2, A2
- 低速決着 (7 分以内)
D1, G2
注目のマッチアップと予想
気になる対戦カードを、事前にいくつか挙げておきます。(敬称略)
・E deu vs. EKBM
前回優勝者 deu と、先日の PGP プレーオフで脅威の全勝をした EKBM の、注目の対決。この直接対決が優勝の行方を大きく占うでしょう。ヒートは六角形盤面。Japanese Sums は deu が PWC 優勝の原動力となったが、今回は EKBM がどれだけ食い下がれるか?未知の Lookouts [Hex] を二人はどう攻略するのか?
・F panista vs. Kota
前回不調だった二人。とくに Kota が崩れ気味だったが、復調できるどうか?調子がよければじゅうぶん優勝も狙えるため、動向に期待しましょう。引き派の筆頭の panista とは覆面ジャンルで対戦。覆面は理詰め派の Kota 有利だが、出題ジャンルは panista 有利か?
・A EctoPlasma vs. Hazakura
今回初参戦の Hazakura. 歴戦の猛者にどれだけ立ち向かえるかが注目です。一方、ここのところ調子のいい EctoPlasma は前回 fastest を 5 つも受ける憂き目。今回はどうか?この二人の対戦は定番の天体ショーとヤジリン。ニコリ系に定評のある Hazakura に、前回ヤジリンで fastest をたたき出した EctoPlasma がどう立ち回るのか?
・G deu vs. fff
前回、上位対戦から 1 勝ずつ挙げた fff. 今回はどんな策を講じるのか?とくに隙の無い deu から今回も勝利をもぎとれるのかが気になります。対戦カードはミックス。ラテンミックスは相性的に厳しいが手立てがあるのか?一方ループ系は fff の得意ジャンルなので勝算があるか?
実況するときも、これくらいの煽りをしていいんじゃないですかね。